症例・事例

病名一覧

2022.04.04

慢性肝炎

肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が破壊されていく病気です。炎症が6ヶ月以上続いている状態を慢性肝炎といいます。原因としてはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスが大部分ですが、アルコールのとりすぎや肥満などの生活習慣から慢性肝炎になる場合もあります。慢性肝炎になると、食欲不振や全身倦怠感などの症状が現れる場合もありますが、多くの場合は自覚症状がありません。放置していると肝硬変・肝臓癌に発展する病気です。 

2022.04.04

肝硬変

 肝硬変とは、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス感染、飲酒、脂肪肝、自己免疫異常などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいいます。肝硬変では、血液が十分に肝臓に流れ込まなくなり、肝臓の働きが悪くなります。さらに進行すると腹水、肝性脳症、黄疸、門脈圧亢進症、食道胃静脈瘤、消化管出血などさまざまな症状が現れてきます。症状のないものを「代償性肝硬変」と呼び、症状のあるものを「非代償性肝硬変」と呼びます。

2022.04.04

脂肪肝

 肝細胞の中に脂肪が蓄積された状態です。症状はほとんどありません。健診や偶然の機会の血液検査などで肝障害を指摘され、診断されることの多い病気です。アルコールによるものは、脂肪肝から肝線維症、肝硬変へと進展し、肝癌になることが以前より知られていましたが、アルコールを飲まない方の脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDナッフルド/ナッフルディー)からも、肝硬変、肝臓癌へと進展する病態が存在することが明らかとなり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASHナッシュ)と呼ばれています。病態がほとんど進行しない脂肪肝を非アルコール性脂肪肝(NAFLナッフル、以前の単純性脂肪肝)といいます。

2022.04.04

大腸癌

 大腸がんとは大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍です。進行すると深部へ進展していきます。早期のものは無症状ですが、進行すると症状が起こりやすくなります。症状は、血便、便秘、下痢、便が細くなる、残便感、貧血、腹痛、嘔吐などです。

2022.04.04

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

潰瘍とは、胃や十二指腸の壁がただれ傷ついた状態をいいます。睡眠不足、暴飲暴食、喫煙、アルコール・カフェイン摂取、ストレスなどにより、胃粘液と胃酸のバランスが崩れることで起こります。一般的に、傷が粘膜下層より深くなった状態を「潰瘍」、粘膜下層に達しない状態を「びらん」と呼びます。自覚症状の90%は腹痛で、ほとんどがみぞおちに痛みを感じます。そのほか、吐き気、嘔吐、胸やけ、ゲップ、食欲不振といった症状もあります。 

2022.04.04

早期胃癌

 胃癌はその深さから早期胃癌と進行胃癌に分けられます。早期胃癌とは、癌が粘膜下層までの深さで、進行胃癌とは固有筋層よりも深く浸潤しているものをいいます。早期胃癌では転移していることが少なく、進行胃癌ではリンパ節転移や他の臓器への転移が多くなることが知られています。症状は、胃痛(みぞおち)・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲低下などですが、早い段階では自覚症状がほとんどありません。また、胃癌から出血することによって起こる貧血や黒い便(タール便)が発見のきっかけになる場合もあります。

2022.04.04

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)

ピロリ菌は、胃の粘膜に住みつく菌で、感染したまま放置しておくと、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃癌など引き起こされることがあります。感染原因は、小児期の経口感染によると考えられています。 粘膜に生息しているピロリ菌を除菌(除菌治療)することで、胃癌の発生が抑制されることが明らかになっています。 

2022.04.04

アニサキス

 アニサキスは長さ2〜3cmの細い寄生虫です。アニサキスはサバ、ニシン、アジ、イカ、タラ、サケ、マスなどの魚介類に寄生しています。寄生した魚を生で食べ、それが胃や腸の粘膜に侵入して、数時間後に急激な腹痛や嘔吐などの症状が現れます。

2022.04.04

逆流性食道炎(胃食道逆流症)

胃から胃酸が逆流して食道に炎症が起こる病気です。胸が焼ける感じ、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちのあたりが痛い、ゲップがよく出る、のどに違和感があるというのが主な症状です。原因は、胃の入口にある筋肉の緩みです。これには食道裂孔ヘルニアが関係しているとされています。緩む原因としては、加齢による変化、胃内圧の上昇(食べ過ぎ、早食いなど)、腹圧の上昇(肥満、衣服による締め付けなど)があります。放置するとバレット食道や食道癌などの合併症を引き起こすこともあります。 

2022.04.04

膵癌

 膵臓ガンは膵臓にできる悪性腫瘍で、多くは膵管の細胞から発生します(一般的に膵管ガンのことを指します)。膵臓は、ガンが発生しても症状が出にくく、早期の発見は簡単ではありません。進行してくると、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰痛や背中の痛み(背部痛)などが起こります。その他、急な糖尿病の発症や悪化がみられることがあり、膵臓ガンを見つけるきっかけになることもあります。

2022.04.04

膵炎

 膵臓から分泌される膵液によって、膵臓自体が消化(自己消化)されて炎症を起こす病気のことです。この膵炎は急性膵炎と慢性膵炎に分かれます。
急性膵炎とは、膵臓と周囲組織を自己消化する急性病変です。原因で多いのは、アルコールと胆石です。最も多い症状は、みぞおちの痛みや背部痛です。そのほか嘔吐・発熱などの症状や、悪化すると意識障害やショック状態など重症化することもあります。
慢性膵炎とは、炎症が続き正常細胞が線維化し、すい臓が固くなっていく病気です。慢性膵炎の原因は、男性では飲酒が最も多く、女性では原因不明の特発性が多くみられます。主な症状はみぞおちの痛みや背部痛です。進行すると、消化不良をともなう下痢や体重減少、糖尿病の発症や悪化が生じます。

2022.04.04

胆石

 胆汁(消化液)が流れる胆道に石ができる病気を胆石症といいます。胆石は胆汁が凝縮されて結晶化したものです。成分によって「コレステロール結石」と「色素結石」に大別され、さらに色素結石には「ビリルビンカルシウム石」と「黒色石」があります。また、結石ができる部位によって「胆嚢結石」、「肝内結石」「肝外結石(総胆管結石)」に分けられます。胆石症になっても、ほとんどの人は症状がみられません(無症状胆石)。しかし、一部の人には胆道痛といわれる右肋骨下・みぞおちの痛み、右肩に放散痛(関連痛)がみられます。この痛みは食後に出ることが多いのも特徴です。また、皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)がみられたり、胆のうや胆管に炎症を起こし、高熱が出たりすることもあります。結石がはまりこんで動かなくなると(嵌頓:かんとん)胆道感染症の原因になります。